「自己愛性パーソナリティ障害」

とりあえず以前作った文章をアップします。

「自己愛性パーソナリティ障害」

自己愛性パーソナリティー障害とは?
「自分が大変素晴らしい人なので、誉められるのは当然。誉めろ。」というように、若い時期から、このような特徴がみられて、下記の5つ以上に該当すると診断されます。
1 自分は大変素晴らしい、重要な人である、と確信している。
2 自分は美しい人間で、なおかつ、大成功するという空想にとらわれている。
3 自分は“特別” に優れた人である、と確信している。
4 過剰な賞賛を求める。
5 特権意識を持っているために、人が自分の命令に従うことを当然と思っている。

6 自分自身の目的を達成するために他人を平気で利用する。
7 他人の気持ちを理解できない。
8 しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。
9 極めて偉そうにする。
   精神障害の統計・診断マニュアル“DSM-Ⅳ-TR”より、わかりやすい言葉にかえて示しました。

どのような特徴があるのでしょうか?
【上記1から3】 
特段周囲の者は困りません。本人が自分のことをどう考えようが、迷惑にはなりません。
【上記4から9】
直接、周囲の人たちが迷惑をかけられてしまいます。
具体的な言葉で言いますと、「俺は特別に優れた人間なのだから(1から3)、俺をほめろ、お前の考えはどうでもいいから、俺のために俺の言うとおりにしろ、俺が特別だからといって俺をうらやましがるな。何せ俺は特別なのだから(4から9)。」 といった具合になるかと思います。
このような人を親に持ったら、子供は萎縮し劣等感を持って育つでしょう。のびのびと成長できず子供自身もある種の人格的歪曲を持つにいたるかもしれません。あるいは、このような人を上司に持ったら、部下達は、概ねあきれてついていかないでしょう。それともついていく人は自分の仕事に自信、価値観を見いだせず葛藤状況を抱えながら、心身をすり減らしていくばかりとなるでしょう。(いずれも、場合によっては逆に大変、忍耐強い、世渡り上手な人になれるかもしれませんが・・・)

なぜ、このような人格になってしまうのでしょうか?
はっきりしたことは不明ですが、自分自身の存在の危うさ、自己不全感を隠すために、無意識的に1から9のような考え、振る舞いが出てくるという説もあります。
人間誰しも自分は大事にしたいし、人からも好かれたいというところはあるのではないでしょうか。しかし、度を過ぎると病的となることや、周りに迷惑をかけまくることも理解していただけると思います。
このような人格特性の根底には自分の弱さを何とか守ろうとしているのだという見方を持つことで、その人に対応する指針となるかもしれません。