第六夜

こんな夢をみた。

私は、米軍機64機を撃墜した、零戦乗り、坂井三郎。戦歴は、鍛練の結果であると確信している。私は、貧しい農家の子、しかし、運良く、零戦の飛行士になった。その後も私は、鍛練を続けた。今や視力は2.4昼でも星が見える。その私も命就きようとしている。先程の空中戦で被弾した、私の身体にも、血が噴き出している、コックピットの内部は血まみれ、更に私のゴーグルも、血まみれで前も見えない。三角巾で、拭き取らねば・・・先程の戦闘で上空で、棄ててしまった。私の愚かさであった。しかし、何とかこの私の血を拭わねば、海面すれすれではないか、片眼は血まみれ、役にたたない、片眼では、立体視できない、では背面飛行で海面が見えるように飛ぼう。しかし、血は?そう、襟巻き、マフラーだ、私は、首に巻いたる、もとは白い襟巻きを解いた、血まみれながらも、布巾くらいにはなる。まず、ゴーグル、そして、コックピット内。やっと着陸地点が見えて来た。だが、意識は朦朧としている・・・

何故か、着陸し、私は生きている。やがて、大日本帝国は連合軍に敗戦した。

この、何故か残った命、何に捧げようか、命を落とした、私が撃墜した、敵パイロット、私の上官、同僚、部下達のために・・・

私は、戦後も人命救助の飛行士を続けた。これが、せめてもの英霊達への手向けと・・・そして、今も操縦かんを握って飛んでいる。何時になれば、英霊達の御霊にたどり着けるのか。