精神医学シリーズ 3 認知症 2

かつては、認知症といえば、下のスライド3枚、脳血管性、アルツハイマー認知症のみで、認知症の説明がされていました。未だにに国際的診断基準も基本的には、そのままです。
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しかし、近年、レビー小体型、前頭側頭型、その他の認知症も提唱されています。何れも、確定的診断は、死後の脳の解剖に委ねられる、教科書的には、治らないとなっています。私論の前に以下をご覧下さい。
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まず、認知症には、中核症状と、周辺症状があると云われます。中核症状は簡単に言えば、もの忘れそのもの。周辺症状は、付随してくる、まさしく周辺症状です。中核症状には、薬物療法もありますが、大方の認知症専門医に敢えて逆らいますと、あまり、凄い効果は期待していません。それより、冒頭のメモに記しました様に、孤立を防ぐ、作業療法、デイサービス、ショートステイ等の介護サービスの方が効果があると確信しています。次に、周辺症状、これは、家族、周囲の方々が、おお弱りします。分けても、易怒性(怒りまくる)、興奮、暴言、暴力、被害妄想、徘徊、介護抵抗等々です。これらには、薬物療法が著効があります。これらの、症状のコントロールで、中核症状も改善すること、何れの薬物療法も常軌を逸した少量の薬物療法で、です。家族、いつ良くなりますか?私:明日か、一週間以内ですね。家族:信じれません!私:まぁ、見ていてください。次の日には、概ね全ての症状は、消褪しています、入院当日は、一日分処方、翌日診て、微調整。大体このパターンで改善しています。次に、以下をご覧下さい。
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 概ね高齢化により、日内リズムは崩れがちです。これは、メラトニンという脳内物質の作用が低下し、朝起きて、夜寝るというパターンが崩れがちになります。それには、特異的な薬物が、効果を発揮します。で、日内リズムが崩れると、夜間に、軽くから中くらいの意識障害(まぁ、朦朧状態)が起き、自分では覚えているような、いない様な状態が起き、色んな異常行動が出現します。まず、それを助長する大きな要素が、医師からの処方にありがちです、高齢者の身体的衰弱を考慮して、多くの医師は安全とされる短時間型、超短時間型の処方をされます。しかし、それが、上手くいく場合が殆どとは思いますが、上手くいかない事もある、その時に、私の患者様として受診される、寝るべき時に眠れたら、問題はない、しかし、眠れ無いとき、せん妄状態が出現します。処方薬は、悪化要因になり得ます。私に受診される方々のほぼ全例で、これらはあります。それらは、ほぼ一夜で解決です。本日、上記に記しました事等々は何れも数百例(多分、千例は遥かに越えています)レベルでの経験です。結論、認知症が治るかどうかは、さて置き、改善する、治ったというレベルまで、治療可能性があると言うことです。