帝国 1

さて、私は皇帝となった。課題は山積み。まず、帝都!地球!止めよう、私にとってかけがえのない故郷、敵対する種族が出現すると狙いうちにされる。更には、帝都を置くとなると、全世界の王室等との調整も必要になる。私は、α銀河のα恒星系の二番惑星、β星を考えた、即ち2αβ星、3α星の隣の惑星。大気も呼吸可能、さらに知的生物はいない。ここに帝都を築き、臣民達を生活させよう。臣民?三郎と光子ばかり?それでは、個性も、画期的な発明も、発案も生まれない、それは、何れ帝国を衰退に導く。同盟した、各惑星の種族を住まわせよう、中には、環境がその種族の特性に合わないものもあるだろう、そこは、各種族の自らの決定で、個体改造を行うなり、装具、例えば宇宙服の様な物を装備させれば良い。結局、3α星との共働は必要不可欠。彼らにしても、それを承知の上で、私のエゴを容認した訳の筈。ところで3α星人の実体は?三郎、光子の雌雄変換から考えて、地球のイカ、エビ等の水性生物を想定していたが、今回、数世紀経って初めて訪問、調査し、判った。地球人用のインターフェースとほぼ変わらない、陸上型の生物、雌雄変換は、私の目を欺く為の、策の一つであったことを知った。普通に出会える相手であった。なんだ、3α星人も策略を練れる種族だった訳であった。その事で、返って親近感が湧いてきた。私は提案、雌雄変換は止めたら?もはや、意味無いし!3α星人も同意、そう、調整された。では、この、宇宙を近衛兵団レディ達と増強予定の十万の艦隊とともに、守って征く。目的は、3α星人の宇宙的カタストロフの阻止。そして、何れ、この宇宙の外の存否、探査も行うだろう、そこには、ホワイト・ホールから得た新知識、技術も投入予定である。そして、帝国とはいえ、議会も作り民意を汲み上げ、只の独裁政権にするつもりはない。ただ、議会は紳士的に進めたいものだとは考えている。まだまだ、なすべきことは山程ある!粛々と、かつて私が公務員であった時の様に責務をこなして行く所存! まる