淡い想い出の名残り 33

私が北海道で下宿したのは、まかない付きの下宿、先輩三人も、別の部屋に居る。家主は越後 小三郎と妻、コスエ。どちらも、75越えている。私の部屋は、障子一つで鍵も無い。突然、婆さんが入ってきて、ミカンもらったよ、あげる。内地にミカンあるかい?(ババァ、余計な事を要らんわ!)おばさん!僕は和歌山県生まれ、ミカンの産地ですよ。まぁいーから、食べるべ!はい。下宿では捨てられないから、近くのスーパーまで、捨てに行った、いるかい!日曜日、赤チャートに疲れて、昼寝していると、何故か気配が、目を開けると、婆さんの顔が目の前にのぞき込んでいる!な、なんなんですか?おばさん?やぁ、あんた、いつも、勉強で、疲れてそうだから、心配で見に来たら、死んだように、動かないからさ、大丈夫かい?と思って、みてたべさ!大丈夫ですよ。心配しないでください!そうかい、無理しないようにするべ。はい。先輩達と呑みながら、婆さんさぁ、俺達の事、自分の子どもと思っているべ!(4年生の岩川先輩がいた。)大体さぁ、岩川先輩が看護婦の彼女を連れて来た時なんか、急に彼女のブーツとか、持ち物を家の外に放り出してさ、岩川さんの部屋に入り、こんな女と すると 腐るよ!だったしなぁ。コズエじゃねぇべ、コスエだべ!一同笑い。私が、覚悟を決めて、帰るフェリーに乗って、大阪に帰るまで、母に何度も電話があったらしい。息子さんさぁ、思い詰めてたみたいで、フェリーから、海に飛び込むんじゃないかと心配でさぁ!と。まぁ、いー人でした まる