アベノの帝王 1

わいは、千田 銅次郎。アベノの帝王と呼ばれている金貸しや。わいの親父は泉佐野のタオル屋やった。ある時までは儲かっていたが、商売に陰りが見え始めると、泉州会の開く賭場に通う様になった。結果、家は会から取り上げられ、親父は、組員にされ、刺しに行かされたところを反りうちでドスで刺され死んでもた。母ちゃんと妹と共に、露頭に迷う生活に陥った。母ちゃんは、タオルのヘム縫い工場に、小学生やった、わしも妹も、給食代も払えへんくらいの貧乏暮らし、わいは思た。銭にこんなに苦しまされてる!わいは、必ず銭に仕返ししたる!中学を卒業してからは、わいは身の振りかまわず働きまくった、銭も貯めた。これを元手に、銭への仕返しをする事にした。金貸し。上手いこと進んで、今や、アベノの帝王とゆわれるまでになった。これからは、わいの、商売、書いたるわ!これが、銭への仕返しや!ちゅーもんをな!