淡い思い出の名残り 40-2

嫌!嫌や!お兄ちゃん!パパ!お母ちゃん!我慢し!死ぬよりましや!このままやったら、パパの稼ぎやと、あんたは飢え死にや!お母ちゃん! 妹を置いて、親子三人で、叔父が、紀勢本線紀伊内原駅まで、送ってくれた。僕は泣き続けていた、カーコ!カーコ!うるさい!男やったら、耐えなあかん事もある!おっちゃんかってな、小さい時にお母ちゃん死んだ、それも耐えた!辛い事も耐える!それが男や!おっちゃん、ほんだらカーコ、頼みます!任せとけ!紀伊内原駅蒸気機関車C62が煙を出して止まっていた。車輪は、僕の背丈よりおーきかった。