銀河鉄道の夕方 6

銀河鉄道の進路は、大きく変わったね、カンパネルレ?そうだね、ジョバンナ、七夕のイベント・ツアーも終り、汽車の中は、僕達だけだね、淋しいような、ほっとしたような。そうだよね、僕達は、静かに星を眺めて旅をしたいよね。うん。綺麗だなぁ!やっぱり、宇宙は!何時までも何時までも、眺めていたいし、何故こんなに美しいのかも知りたいなぁ!カンパネルレ!うん、僕にはその時間は無い、君と僕のお父さんで!何を言ってるのか分かんないよ!君と僕とで、冒険しようよ!うん、でもね、ジョバンナ、人には定めがあるんだ。僕は・・・  カンパネルレ、サソリ座が近付いてきたよ!やっぱり夏の夜空はサソリ座が一番!球状星団がいっぱい見えるね!綺麗だなぁ!うん、あの中にも入って、星空を眺めていたいね!でも、そろそろ、銀河中心のブラック・ホールの重力で、どんどん鉄道のスピードがあがっているみたい!ジョバンナ!君と旅を続けられる時間はもう、少ないかもしれない!銀河中心に向かって、一直線。僕達は、何時までも友達だよね!当たり前だよ。お互いに、星を見て美しいと思える心を携えて、生きていくんだよね!当然じゃないか!カンパネルレ!美しいものはいつも美しい!ありがとう!ジョバンナ!じゃあ、もう少し、君と旅を続けられそうだから、旅を続けよう!  何故か、別れの気配を感じるジョバンナであった。