淡い想い出の名残り 祖父の愛でた金魚

今、NHKで金魚の話をしてました。私が、子どもの頃、母の実家の寺の本堂の裏に、後戸と云われる、場所がありました。住職家族の生活スペースです。私もそこで産まれました。祖母と産婆さんにとりあげてもらいました。鈴愛と違い、覚えてませんが、普通ですよね。で、祖父は、坊主であり、書家であり、風流人でもありました。本堂と後戸の間の廊下から見えるところに、裏庭を作り、そこに、小世界を創っていました。当時、そこには、手水鉢の中に金魚がいました。祖父は、朝夕、麩を入れ餌にして、大事に飼っていました。かわいい金魚達でした。やがて、祖父は更に老い、呆けて、何もしなくなり逝きました、享年95歳でした。今や、祖父の創った、小世界はなーんにも無い。只の無粋な空間になっています。引き継ぐものが無粋だったからでしょうね。私なら、祖父の志しを大事にして、金魚も代を重ねながら、活きていたでしょうね。