汚れた英雄 始動

俺は戦災孤児。東京の下町の小さな単車屋自転車屋の店員として働いていた。俺は、単車が好きだ。多分、上手い筈、しかしそれを証明するにはレースで勝たなければならない。俺は練習を積んだ。浅間山に行き、道路を閉鎖し、自分専用の練習コースを作った。未舗装路、カウンター、所謂逆ハンを、切り、そのテクニックは余人の追随を許さぬレベルになった筈。しかし、それを示すのは実績、即ちレースの世界で勝つことだ。勝つと言えるのは一番、優勝のみ、俺は研鑽を続けた。リアカーでバイクを運び、走る、走り続けた。俺は勝つ!まずは、ライセンスを取り、地方の選手権大会に出た。勝った。後ろを見ても、誰もいなかった。つーことは、ぶっちぎり?彼らは、そんなに弱いのかなぁ?まぁまぁ、いーや!俺は強い?速い?それを証明してみせた初戦だった。