アルブスの少女 病

ヘイジや、クリームシチューを作ったよ、お食べ。オンジ食べたくないの、食欲が出ないの。でもね、食べないと、生きては行けないよ。うん。食べた。オンジ、待ってて。トイレに行った。戻って来た。オンジ吐いちゃった。そうかね、続く様なら、お医者さんに見てもらおうか。うん。では寝るかい?うん。ただね、吐いた後は胃酸が、口の中で歯を溶かしてゆくよ、歯を磨くか、うがいはするんだよ。うん、じゃあ、それして、寝るわ、お休みなさい。お休み。 翌日、何も食べられなかった。その次の日も。ヘイジは2階のベッドから、出られなくなった。オンジが粥を運んだ。オンジ食べられない。これは、大変じゃ、先生に往診に来てもらおう。うん。往診、特段の胃腸系の異常は無いですね、多分心理的なものかもしれませんな。では?saki先生に診てもらったらいかがでしょう?その線でお願いします。先生が来て診察、どうしてかな?別に思い当たりません。オンジに聴いてみた。どうもハイゼンベルグで疲れて帰って来ましたのじゃ、理由は、過労?あ、そういえば、デブの自分の写真を見た、それも一つ、ストレスだったみたいですじゃ。それですね。摂食障害、年齢から、考えると拒食症でしょう。過食症の徴候はないので。では?私毎日来ます。今はやせ細っていますよね。頬も痩けている。デブでは無い。しかし、このままだと一切食べず何れは死ぬ。痩せても痩せても、私はデブと云う誤った自己認識、ボディイメージの障害はある。ヘイジ?君は?デブ、ブスよ。そんな事はないよ。でもね、このまま食べ無いと死んじゃうよ。いーの、それで。駄目だよ、今日は、最小限のVitamin注射をして帰るけど、明日も来るよ、いいかな?はい。翌日、から、毎日往診、信頼関係構築できた。今の自分を、これでいーんだと思える事が大事だよ。君は最早、デブでも、ブスでも無いよ、可愛いよ。でもねこのままだと死んじゃうよ。少しずつ、先ずはオンジのお粥を一口でもいーから、食べてみようか?はい。オンジ?お粥の中には潰したお野菜と山羊の乳を入れたものを!はい先生。すこーしずつ食べ始めた。ある日、オンジ?お粥ばかりは辛い、チーズフォンデュも少しだけ、食べたいわ。そうかね、じゃあ作って持って来るよ。オンジ私、何とか歩ける、食べに下りるわ。そうかね、心配だから、オンジがハシゴの下で、ゆっくり降りてくるんだよ。うん、食卓に付いた。少しだけ食べた、吐きもし無い。段々と、食べる量も増えてきた。あ、先生!ヘイジ?その調子。よく頑張って食べているね。もう、大丈夫、でもね、食べ過ぎは注意だよ、腹八分目にするんだよ、そしてね、また、ピーターと草原で少しずつ、遊ぶんだよ。はい、先生、ありがとうございました、気持ちも何か楽になって来ました。確かに今の私は痩せ過ぎだと鏡を見て思える様になって来ました。君は、もう既に、自己治癒能力を持っている。何かあれば、私を呼んでね?はい。一応、定期的治療終了、転帰は軽快かな。元はといえば私の一部サキサキの写真が、誘因。私は自らの咎に対する、災厄に対して責任をほぼほぼ完遂したかな?では、ヘイジ、オンジ何かあれば、私に連絡くださいね。先生ありがとうございました。