兄さん寒かろ?お前も寒かろ?

我ら兄弟は両親も亡くし、村も追われた。くいぶちべらし。寒いなぁ!そうだね!旅籠があった。この金子で泊めてくれませんか?はい、どーぞ、でもねぇ、この金子では素泊まりだねぇ。それで。夜中になった。寒いなぁ。兄さん?寒い?寒い、お前も寒かろ?うん。この問答を繰り返し夜が明けた。宿屋の主人が部屋に行った。兄弟は冷たくなっていた。その布団をほかの客に使うと、喋るらしい、兄さん寒かろ?お前も寒かろ?・・・喋る布団でした。