暗闇の道 川べり

ここは?墓地の脇道ではないか?僕には親類の墓地は最早無いけどな。左を見れば墓石、卒塔婆が闇に浮かび上がってる。不気味やな、気色悪いやないか!まぁまぁ歩いて抜けるしかないわな。・・・まだ墓地から出ない?おかしいなぁ?でも歩くしかないし。歩いた。右手を見た。何やこれ!底の見えない奥深い谷やないか!こんなとこ歩くのも怖いわ!谷底、真っ暗、魔物、精霊?そんなものがひそんでいそうやないか?歩いた。だんだんと下りに、良かった!里は近い。同時に、やな予感!やっぱり、谷底の川のほとり。まぁまぁ、水でも飲もか、と川面にすくいに手を入れた。と!おい!おい!お前!何の権利があって、俺の水を飲む!忍とやら!えーっ!何で俺の名前知ってるねん!姿を現した怪物!頭の上に皿、くちばしの口、ポコンとした腹、水かきのある手足。ギャハハ!お前、カッパやろ!そうや、カッパや!カッパ!カッパが何で、俺に偉そうに!うるさい!尻小玉抜くぞ!やってみい!抜かれた!俺は川べりで天の川をみながら息絶えようとしていた。大自然は底知れない、軽んじた俺が愚かだった。さよなら・・・・・・・