第十夜

こんな夢を見た

私の名はSAKI001。確かに私は、SAKI001、名は私の父、SAKI000がつけた。齢は800歳。昔、目標にしていた年齢に、既に達している。しかし、科学、医療技術の進歩で、まだ、消えて行きそうにない。記憶?800年分の記憶の保持はまず、不可能。そこで、考えられたのは、思考パターン、記憶の量子コンピューターへのアップロード、必要な、情報は脳内の予備領域にダウンロードできる。そういえば、量子コンピューターの開発には、私の息子SAKI002(私が命名した。)が関わった。超一流大学の出身ではなかったが、確かに相当、賢かった・・・で、息子の母親?私は、結婚していたのか?ダウンロードした。不必要なので、アップロードして、脳内から消去していた。一時期、結婚していた、そして、SAKI002が産まれた。その後、私は、ずっと独りで生きた。何故なら、私は早くして、解脱し、生きながら、涅槃に達していたからである。SAKI002は子をなし、今は、SAKI030世代であった。しかし、私の若い頃にヤンキーと呼ばれた人類は、・・・・060世代以上に達している・・・進化は倍のはずだが、そうでもない。

偶発的な事故で、身体が破壊されても、大丈夫、遺伝情報は、記号化され、再生可能、更には、以前の細胞も、凍結保存されクローン化も。保存していない組織の分化も可能、事実上、人類は不死を手にしている。では、何人かの私を作ることも可能では?倫理規程で禁止はされているが、全ての私が、同じ環境に居るわけではない、各々の環境で、別の経験をし、別のSAKI001が出来るはず。SAKI001-001とか、SAKI001-999まで。単位が足りなかったら、SAKI001-0001にすれば良いだけのこと。更には、SAKI001の頃に考えていたように身長は80cmではなく、昔のまま、というより、伸びている、老けてもない!

最終夜の約束をしてから、800年。物語は変化し当時の皆様、誠に申し訳ございません、と心より、反省の意を表します。