私の30年後(暫定版)

私は、今や、90歳手前。しかし、誕生日も覚えているし、今日が12月22日だということもわかっている。更に、一応、月曜から金曜までは、遠い病院で泊まり込みで仕事もしている。今日のNHKで言っていた、不死化技術が完成したと。生きてて良かった。しかし、そのためには、現在の細胞のサンプル採取が必要との事。この、老いさらばえた、肉体の細胞を?では、この肉体のまま、永遠に生きる?地獄だ。身長は、十年に一センチ縮むと云う私のかつての仮説どおり、元よりも、ちびになっておる。更に思考も遅くなり、若い医者のいうこともさっぱり解らん。私は、かつての知識と技術だけで、一応、精神科医ではあるが・・・新しい技術は、その悲観的な考えも払拭するものであった。遺伝子配列上の加齢に寄る、歪みも修正して、正常化する作用も有するらしい。では肉体的には若返る?しかし、欠落した記憶、新しい記憶は?その技術はまだ、開発中らしい。ま、いーか。身体だけでも、人間、生きてることが、何より!

さて、SAKI002は割りと有名な科学者となり、SAKI003はさしたる反抗期もなく、私にはじいちゃん!としたってくれ、思春期特有の相談もしてくれる。ただ、自分の母にだけは、無関心。母の側も我が子に無関心。夫婦同士も無関心。愛情は感じられない。嫁は、私の事は生ゴミとも、思ってない!

ま、いーか。このまま、あるがままで生きてるしかないわな。