私の130年後

地球の、日本の渚に佇み、寄せては返す波を見ていた。結局、私は、地球人、日本人。この、大地が好きだ。この、海、そして山、空、自然の全てを愛している。我が故郷の何と素晴らしいことか。8年前に地球に帰り、一年程、滞在した。その時に感じたことであった。去り難かった。しかし、私には、しなければならないことが!山積み!行かないと。002、003、005達とも会った。皆、正しく己れの道を歩んでいる。私も、私の道を歩まねば。再度、旅だつ!

宇宙挺に戻った。この数十年の間に3α星人の航行技術は、驚くべき、進歩を遂げていた。一回のジャンプで十万光年飛べる様に。この銀河系の端から端まで、一回のジャンプで到達できる。この、宇宙挺にも、装置は積載されている。それと、3α星人の研究の結果、ダークマターも含めた、宇宙の総質量は、宇宙を再び、収縮させ、ビッグクランチ、ビッグバンの反対で、宇宙全体を一点にそして、消滅させる程の質量はない。従って、宇宙は膨張し続ける。やがて、何も無い空間が数百億年後にはできてしまうことが明らかにされた。3α星人は、対策を研究、解決法の技術的可能性もみいだした、ホワイトホールの生成可能性である。更には、私がかつて、関わった、ミッション、銀河中心のブラックホールの物理的障壁の作成に取りかかり始めた様である。どんな、科学力?まぁ、彼等は数万年の過程を経て、現在に至っている。我々人類からは、想定できない叡知の種族なので。ところで、γ星人は結局、3αドライブを使っての宇宙侵略はできなかった様である。スキャンでまる写ししただけで、数万年にわたる3α星人の設計のコア部分までスキャン出来ていなかったこと、そして、その、飛行原理の理解には及ばなかった様である。

さて、今回のミッションは、当然、更なる深宇宙に突入し、新たな知的生命体とコンタクト、パートナーシップを築くこと。

さあ、新たな世界に向けて発進、したのであった。