求道の旅 4

俺は、TLR200で北海道を走っていた。普通はロングツーリングにはトライアル車は使わない。しかし、どんな悪路でも乗り越えてやる!みたいな感じで旅立った。小樽港に着いた。以前暮らしていた、下宿にたちよった。婆さんが出てきた。あらぁ!SAKIさんかい?まあ、お上がり!善財食べるかい?あの、今8月なんですけど、と思いながら、ありがとうございます、いただきます。って、ホントにだるまストーブがついていて、その上に善財の鍋が!信じれん!しかし、その位の寒さはあった。(実は私は、以前に小樽の大学に在籍していた。詳細は省略、私の悪夢によく出て来るエピソードあり、何れ記しますね。)で婆さんとわかれを告げ、ツーリング開始。途中、海沿いを走った。すると、寒いのに、本州と同じ様に海水浴してる!でも、寒さで唇、皆、紫色!内地とおんなじことせんでも、無理はしない方が。俺は海を見れば飛び込んで泳ぎたくなる、でもこの寒さでは!走り続けた。大体、俺は何を求めて走っているのかな?あ!何を求めるべきか探して走ってるんだ?馬鹿みたい!あるキャンプ場に着き、荷物を置いて、身軽になり、走り回った、ゲートのある林道に入り、飛ばしまくった。あ、面白かった。で帰りにはゲートは閉じていた。多少の場所さえあれば、トライアルマシンが走り切れる、と思って辺りを探して見たが、全然通行不能。夕方、どーしよう?いくら、8月でも、この寒さでは?熊も出るらしいし!あ!思い付いた!ゲートの下に50cmくらいの隙間がある、バイクはそのままだと、通せない、ハンドルを本体から外して、ワイアー類着けたまま、ゲートの外に出して、本体を引きずり出して、また、ハンドルを着けたらいい!そのとおり実行できた。俺って、天才!なのに、何故に留年?ま、それは、さておき、キャンプ地に帰還、簡易テントを張り、寝袋でウイスキーを飲んで寝た。しかし、寒かった。小樽を出て以降この、ツーリングの間中、誰とも話はしなかった。孤独を噛みしめながら、考え続けた。俺はいったい何を求めて走ってるんだろう?まさしく、求道の旅であった。