精神医学シリーズ 4 境界性パーソナリティー障害

本日は、この障害です。まず↓以下、人格障害はパーソナリティー障害とよみかえてください。
f:id:SAKI001:20180122204827j:image

既に、回避性と自己愛性パーソナリティー障害は書き込み済みでした。
f:id:SAKI001:20180122204852j:image

以上が、パーソナリティー障害全般の説明です。要は、性格の偏りが大きすぎて、本人か、周囲の人が困るレベルのものです。
f:id:SAKI001:20180122210043j:image
中でも、上の赤枠の中、境界性パーソナリティー障害についての説明です。この、診断基準です↓
f:id:SAKI001:20180122205443j:image
古い診断基準ですが、大体、同じです。今はDSM-Ⅴです。(1)人から見捨てられたくないので、可愛く振る舞い過ぎたりします。(2)ある人に対して、あなたは、理想的な人!突然変わって最低!と変動します。例えば、私が主治医とすると、先生は勉強もいっぱいして、患者の気持ちも理解して、優しい最高のお医者さん!かと思うと、先生は、私の事、好きなんで特別待遇して、色目で見てる変態!と突然、対応が変貌する。(4)衝動的な行動、困ります。(5)自殺の素振り、死なない程度の振る舞いを繰り返します。この注意点は、後記。(8)ぶちギレがち。(9)もっと重症の状態に見える時がある。
f:id:SAKI001:20180122205510j:image

病名について、何と何の境界か?軽い障害と重い障害の間という、歴史的な考え方から、きています。一番したの文、この障害の理解で得られることは、色々あります、その、一つに、青年への対応もあります。
f:id:SAKI001:20180122205541j:image

この障害をあげるのは、色んなパーソナリティー障害の根底には、境界性パーソナリティー障害があり、その上に各々の障害の特性が付随しているという考え方もあります。
f:id:SAKI001:20180122205602j:image

人は人格の中に、良いところもあって、悪いところもあって、それが普通の人間。自分もそうだし、人もそう。と思いますよね。あいつも、人間なんだから、良いところも悪いところもあるわな、と考えられますよね。ところが、この障害の人は、自分も他人もそういう風には捉えられない。人間を良いか悪い、の二つでしか、捉えられない。良い自分の時には、相手の事も良いところばかりが見える。これは、投影といいます。例えば気分が良いと、景色も綺麗に見えるみたいな・・・逆に、悪い自分の時には、相手が最低の人間に見える。私は変態扱いされる訳ですね。この図の赤い矢印は、悪い自分の時には、相手も悪者、私に、何か悪さとか、やーらしーことをしてくる!その前に先制攻撃、やたらと攻撃的になるわけです。
f:id:SAKI001:20180122205624j:image

この図は有名ですが、掲載に辺り、提唱者の許可を得ていませんので、後に削除するかもしれません。(10)我慢を覚えて貰うことが大事です。対象恒常性、シリーズ前の書き込みで記していますが、お母さんが目の前にいなくても、お母さんは居る、だから、来てくれるまでは辛抱!そのレベルのことが、十分にはできない、要は、未熟な訳ですね。ですから、成長と供に、診断基準の項目は、減って行く可能性があります。私が精神科医師となったのは29歳、診断基準を見たとき、20代の私は、5つもなかったけど、4つ位はあったかな?今は、一つ位かな?で、現在の私、一つもありません。治療上大事なことは、御本人が成長していくのを見守りながら、支え、症状の激しい時には、対症療法的に薬物療法も行う。要は、時間のかかる関わりが必要と言うことですね。
f:id:SAKI001:20180122205701j:image

まあ、上の見極め、対処は必要と考えています。
f:id:SAKI001:20180122205737j:image

上のスライドで、一番大事なことだけ。自殺の素振り、未遂をして、一回の致死性確率が1/100だとしても、100回すると、死ぬ。ですから、振り回されては駄目ですが、その、可能性、切迫性は直感的にでも把握する必要性はあると、言うことです。
f:id:SAKI001:20180122205757j:image

まぁ、この障害は医療従事者にとっては、やっかいで、見識の低い人には、ただの、我が儘病!に成りますが、そうではない。障害ですから、医療的に対応する必要があります。そこで、上のスライドもその一助になると考え、出しました。参考までに。(臨床現場で経験もしている事実とも考えています。)