夜は長い、Milt Jacksonのjazz聴きながら

何書き込みもうか?と考えていました。今日はこれで!ベティ·ブルー。フランス映画です。解説では、激しい愛の物語とか、エロ映画とか、いろいろですが、私はそう見ていません。

主人公はゾルグ。これが、また、男前!冒頭で、ベティとの絡みのシーンが、これがエロ映画とされる所以です。が、それは、単なる掴み。ゾルグは自由人、好きに仕事をし、終えると、歌いながら、家に帰り、チリコンカーンを一人で食べて呑む。そんな彼の前にベティがやって来て、住み込み初める。好き勝手に暮らす。ゾルグはそんな彼女を好きになる。最初はヒステリーレベルの女性だな、と精神科医の私は観ている。ベティは、ゾルグの書きためた文書、小説のノートを見つけ出す。貴方は、ここで、こんな、下らない仕事をしてる人じゃない!読みふける。その間も彼らの愛の生活は続く。小説の内容はSF、恋愛、随筆等々様々。すると、気に入らないことがあると、ゾルグの家ごと火を点けて燃やしてしまう!これは、境界性人格障害レベル!と思って観ていました。逃避行を、続け、やがて、パリの友人の家にいそうろう。そこで、私が感動して、カッコえーな!と想ったのは、一人で、ピアノ屋のピアノを奏でるゾルグ、あんまり、カッコエーので、安物の電子ピアノ買いました、買っただけでしたが(笑)で、その後、ベティは妊娠、流産、そこから、彼女の精神状態はどんどん崩れてゆく。最期は精神科病院に入院中のベティの部屋にゾルグが忍びこみ、彼女の顔に枕を当てて、窒息死させる、その後も、彼は静かに執筆活動を続けるシーンで終わります。ベティの最期は統合失調症だったと考えさせられました。最初は軽症に見えても、縦断的にみると、病は進行していた。

この映画の好きな所は、ゾルグのカッコ良さ、ベティの視点によっては、とんでもなく魅力的な、綺麗な女性に見えることだけでは無く、自然、住む環境の美しい映像美と、それに、あった、時としては、もの悲しい切ない音楽のコラボでした。精神医学的でもありますし、美しい名作と思っています、後輩の精神科医にも勧めています。これをエロ映画としか見れない奴はそれまでの値打ちの精神科医と思っています。ブレードランナーと同じで、幾つかのバージョンを集めて持っていますが、完全ノーカット版を、男子ばかりのゼミで見た時は、えーっ!これ、先生やばくない?でしたね。参考までに。