忍風 カムイ外伝の外伝 追憶

思い出した。スガルの家に、身を寄せていた頃の事だった。砂浜を歩いていると、突然、砂に埋められ、隠されていた毒の棘を持った死にかけのエイが俺に向って、刺しにきた。咄嗟によけた。追い忍の仕業、俺の暗殺を!しつこい奴らだ、と思っていた。しかし、結局は、それ以上に執拗だった。まさか、スガルの一家全員を殺すとは。俺は仇はとった、鮫に喰わせて殺した。只、殺すだけでは、気が済まなかったから。今でも思う。俺の選択は正しかったと。しかし、スガルの一家も、サヤカも最早返っては来ない。俺は逃亡の獣道を歩むしか無い。それが、俺の唯一の道だからだ。