妄想気分
これは、理由なく、世界が滅びてしまうような怖い気分の事をいいます。西洋人では聖書の記載よりノアの方舟と世界を沈み込む大洪水から、世界が沈んで皆が死ぬ様な怖さ、世界没落体験といいますが日本人はあまりキリスト教徒は多くないので、ただ怖い!という表現にとどまる事が多い様です。これは不安とは違います。不安は基本的には現実的な不安、私で言うと、月末までには退院して、税金や家賃が払えるだろうかといった、根拠のある不安から、不動性不安(何となく不安特段の理由もなく)等がありますが、御本人の申述には、怖い!という言葉はありません。かつて看護記録に、「怖い、怖いと不安を訴える。」との記載があり、それを見た若い真面目な内科医師が抗うつ薬や抗不安薬を出していました。私が、先生?怖いという表現は感情病圏より、精神病圏で考えた方が良いと思うので、この線でどう?分かりましたと、処方が変更され「怖い」という申述は無くなりました。妄想着想と同じく、根拠無く、怖いのです。