銚子川 綺麗な水

日本国内でも特に年間降水量が多い地域の大台ケ原を源流として、三重県南部の紀北町を流れ熊野灘へと注ぐ。源流部の標高は約1600mであり、わずか17㎞の距離を山間を流れ、源流から河口までの大きな標高差ゆえと、流域に人口が少ないため、清流を保ったまま海へ注ぐ。透明度が高く、潜らなくても水深3mほどの川の底まで見ることができる。高い透明度を保つ理由の一つとして、「地下のもう一つの川」と言われる伏流水の存在があげられ、川の水が地下と地上を行き来しながら、汚れを浄化していることが知られ、地下の川からは2016年にチョウシガワメリタヨコエビという銚子川でしか発見されていない新種のヨコエビも発見されている。源流部の谷には「清五郎滝」、上流部には浸食された花崗岩の渓谷、また支流又口川沿いに約3kmにわたって巨岩や奇岩が林立する魚飛渓など渓谷美を形成する。河口部でも透明度が高いことで海水と川の水が混じり合う汽水域では、境界部がゆらゆらと揺らめく「ゆらゆら帯」が確認される。
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