え?第5世代?

第5世代ジェット戦闘機の概念は、1981年にアメリカ空軍から提案された先進戦術戦闘機計画まで遡る。この提案によれば、「敵よりも先に発見し、先に(複数の敵機を)撃墜する」という条件を満たすよう規定されており、高度な火器管制装置とステルス性が求められていたことがわかる。

ただしアビオニクスについては急激な技術革新があったわけでなく、徐々に発達してきたものであり、また既存機のアップグレードも行われているため、世代間で隔絶した違いは無い。以前は第5世代の必要条件の一つと言われていたスーパークルーズ(超音速巡航)性能であるが、F-22はその能力はあるものの、F-35にはその能力は求められなかった(ただし結果としてスーパークルーズが可能ではある)。一方で、第4世代ないしそれ以前の前世代戦闘機でも意図したものではないがスーパークルーズ能力を有することがあることから、これも第5世代機の十分条件とは言えない。そのため第4世代ジェット戦闘機との大きな差異はステルス性以外には見当たらないといえる。ただ限定的なステルス性であれば、第4.5世代ジェット戦闘機には付与されていることがある。

ステルス性が第5世代ジェット戦闘機の要件として認知されるまでには、試行錯誤、紆余曲折があった。例えば極めて高度なCCV設計や、推力偏向を採用したジェットエンジンなど、より高度な運動性の追求が次世代戦闘機の条件と考えられた事もある。そのためX-29のような前進翼機や、通常の尾翼形式にさらにカナードを付加したCCV実験機が、研究されたこともある。しかしながら前進翼カナード形式はステルス性を損なうことが判明し、先行して実用化されたステルス攻撃機のF-117が高い実績を残したことなどから、そうした高運動性は第5世代ジェット戦闘機の要件から外されてしまった。例えばスホーイ社はSu-47を「第5世代ジェット戦闘機」として発表したものの、方向性としては完全に外れてしまい、ついに次世代戦闘機として認知されずに終わった。

ステルス性が第5世代ジェット戦闘機の要件となったため、マルチロール機という点では、第5世代ジェット戦闘機のステルス性を保った状態における武器積載量は、第4世代ジェット戦闘機に比べれば見劣りする。しかし航続距離では増槽なしでも可能な限りフル装備の第4世代機に伍するよう配慮されており、さらにステルス性を考慮しないミッションにおいて、従来どおりの機外兵装および増槽を使えば、その限りではない。

ロッキード・マーティン社は、第5世代ジェット戦闘機の特徴を「センサー・フュージョン[3]」「ステルス」「(第4世代に勝る)性能」「より進歩した整備・保守性」と定義し、特にステルス性は当初から設計に含まれていなければならず、これらの特徴は後からの改修で付け加えられるものではないとしている。[4]

ステルス性重視により機動性の優先度は低下したが完全に無用になったというわけではなく、探知技術の向上によるステルス性の低下、ステルス機同士の戦闘、敵機の領空侵犯からの戦闘等の有視界戦闘、ミサイル回避、地上攻撃などの対戦闘機戦闘以外で機動性が必要とされる可能性がある。ステルス性と機動性をどの程度のレベルで両立させるかは今後の課題であり、現状では開発国の思想によって異なる[5]。

ロシアのは前進翼機 安定性悪ないんかな?


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