ひとすじの道 銃殺

分かっていた、私は元より分かっていた。蟹工船小林多喜二先生はリンチの果に獄死。政府から主義者と目されれば終焉は見えている。刑務官が、私に告げに来た。今日は貴様、女!名誉な事を告げに来た。銃殺。本来、貴様等、吊るし首、最後の判断基準は、面会に来た、伊藤常だ!貴様の主義活動無くば、あの水呑み百姓の小娘が教員等と!ほざかしい!心配するな、赤い国と違い、銃弾の費用は貴様の家族には請求しない!従って、陛下から、頂いた弾と知れ!はい。私は、連行された刑場に。後手に、折れた手首を括られ。つねちゃん、もう会えないね、ごめんなさい、願わくば、貴方とその、御家族に災いの来ぬ事を祈っています。加藤恵子!覚悟はよいか!はい。では目隠しを!手ぬぐいで、目隠しをされた。最後に、聴こえた、パン!たった一発の銃声・・・