川崎人工島(かわさきじんこうとう)は、神奈川県川崎市川崎区浮島町沖5 kmの東京湾に位置する、直径200 mの円形の人工島である。自動車専用道路東京湾アクアラインのアクアトンネル建設および換気のために造成されたものであり、通常は関係者以外の立ち入りはできない。ただし、アクアトンネルの避難ルートの一部となっており、退避用にヘリポートと小型船舶専用の接岸設備を備える。
12度傾斜した大小2本の円筒形の塔で構成された換気塔で、90 mの大塔はアクアトンネルへ外気の給気、75 mの小塔はトンネルからの排気の役割を果たす[9]。東京湾上は年間を通じて風向きは南北方向であることがほとんどで、2本の塔の間を風が抜けることでベルヌーイの定理により効率的な換気ができる[10]。大塔は現地で鉄骨が組まれたが、小塔は下部1800トン、上部600トンに分けて陸上で施工された[11]。
塔のデザイン決定には平山郁夫と澄川喜一が携わり[12]、羽田空港を発着する旅客機からの景観や、船舶からの視認性を高めるため[13]群青色と白色の幅10 mの横ストライプのデザインが採用された。表面は幅3.3 m×高さ5 mのプレキャストコンクリートパネルで、150 mm角のタイルで仕上げられている[14]。塗装には、耐腐食性に優れたフッ素樹脂塗料およびエポキシ樹脂塗料が使用されている[15]。海中部分は工事の際の足場をあえてそのまま残しており、万が一船舶が衝突した際に緩衝材として機能するようにしている[16]。また塔本体が波しぶき等で錆びるのを防ぐため、わざと塔から少し離れたところに防波板を設置し水中洞窟のような空間を作っている[16]。
2003年策定の「東京湾再生のための行動計画」に基づき、海水温、濁度、流速・流向、気温、クロロフィルなどの観測を行うモニタリングポストが設置されている[17]。川崎人工島と木更津人工島の間の航路は、川崎人工島に近い側から東京港→浦賀水道(湾口)方面、千葉港→浦賀水道、浦賀水道→東京港、浦賀水道→千葉港のように航行するよう定められている[18]。
