第四話

こんな、夢をみた。

ここは?海の底。俺の身体はむしろで巻かれている。動けない。死んでいるみたいだな。でも、意識だけはある。意識かな?でも、考えられる。そういえば、役人に裁かれ、伊勢湾に沈められた、母の病が癒されるように、御禁制のやがらを毎日釣ったから。しかし、海の底は、冷たい。本当に死ぬ程冷たい。あ、死んでた。海の底も冷たいけど、人の世も冷たい。俺が死ねば、母も死ぬ。神様がやがらを食べる訳はない。生きていて、病めるものが、やがらを食べることが、そんなに悪いのか?役人も逡巡したようだが、結局、俺は海の底。冷たい・・・

母ちゃん・・・すまない・・・