私の20年後

私は既に齢、80手前。まだ、同じ病院に勤務している。もう、辞めさせてください、とかつての経営者の息子に頼んだ。え~、先生辞めないでくださいよ!形だけでも!形だけですから、この、年収で!うーん!ま、いーか。形だけだしな。しかし、多分、実情は昔とほとんど同じ、単機出撃。ただ、年俸が半分くらいになっただけ。解っていた、昔から、六十手前には気付いていた。高齢者の親を連れて来る、子達、二人並べて観ると、この子の二・三十年後が、この、親みたいに?あり得ない。子は若い、だから、老いる速度は減速している。だから、私も単機出撃出来るわな。何れ、不死化技術も現実になる直前。それまで、生きてたいなぁ。涅槃に達っしているはずなのに、生への執着は僅かにあるな。

で息子は結婚して、子どもも出来た。孫は五歳、休日、応接ソファーの後ろの窓際の寝袋で呑んでいる私に、じいちゃん!と寄って来てくれる、猫可愛がりする私。すると、息子の嫁が言う、じいちゃんにあんまり近づいたらだめよ!SAKI003!アル中移る!こいつ!まぁ、息子は母と似た女性を配偶者として選ぶとは昔から言われてたしな。仕方ないか。耐えるんだ、SAKI002!